住宅ローンには、財形住宅融資・民間融資・フラット35等があります。
今回は、それぞれの特徴を分かりやすく解説していきたいと思います。
財形住宅融資とは
財形住宅融資は、財形貯蓄を行っている人が利用できる公的住宅ローンのことです。
【財形住宅融資の概要】
・申し込み時の年齢が、70歳未満であること。
・融資額は、物件価格の90%以内で財形貯蓄残高の10倍以内(最高4000万円)となります。
・金利は、5年固定金利で5年ごとに適用金利の見直しが行われます。
・融資条件は、財形貯蓄を1年以上継続していて、かつ申込日前2年以内に一般財形の預け入れを行っていること、また貯蓄残高が50万円以上あること。
・他の借り入れ年間合計返済額との割合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下となっています。
・返済期間は最長35年(完済年齢は80歳まで)
・契約時に、火災保険への加入が必須です。
・保証人は不要です。
民間融資とは
民間融資は、銀行・JA等の民間機関が独自に取り扱っている住宅ローンのことです。
融資条件は、金融機関ごとに異なります。
特徴としては、公的ローンに比べると物件に対する制限が少なく、利用者の就業状況や収入状況が重視されます。
原則として、団体信用生命保険への加入が必要です。
金利は、固定金利選択型や変動金利型が一般的です。
フラット35とは
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携し行う住宅ローンのことです。
種類としては、住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取り証券化し、それを投資家に発行する買取型と住宅ローンに保険をかけ、利用者が返済できなかった場合に住宅金融支援機構が保険金を支払う保証型があります。
【フラット35(買取型)の概要】
・申し込み時の年齢が、70歳未満であること。
・融資限度額は、100万円以上8000万円以下で、建築費又は購入価格の100%となります。
・金利は金融機関ごとに異なりますが、全期間固定金利です。
・融資条件は、本人や親族が住む新築住宅の建築や購入または中古住宅の購入であって、住宅金融支援機構が定めた技術基準を満たす住宅であること、一戸建てなら床面積70㎡、共同住宅なら床面積30㎡以上が対象となります。
・他の借り入れ年間合計返済額との割合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下となっています。
・返済期間は15年~35年(完済年齢は80歳まで)
・財形住宅融資との併用が可能
・団体信用生命保険への加入は不要です。
・契約時に、火災保険への加入が必須です。
・保証人は不要です。
・繰り上げ返済手数料は、無料となります。
フラット35(保証型)については、手数料等が金融機関ごとに異なりますので、詳細については取り扱い金融機関にご確認下さい。
フラット35Sとは
フラット35Sは、省エネルギー性や耐久性等に優れた住宅を取得した際に、フラット35の金利を一定期間引き下げることができる制度です。
フラット35Sには、技術基準の高い順からフラット35S(ZEH)、フラット35S(A)、フラット35S(B)の3つのプランがあります。
【金利の引き下げプラン】
フラット35S(ZEH) | 当初5年間 | フラット35の借り入れ金利から‐0.75% |
フラット35S(A) | 当初5年間 | フラット35の借り入れ金利から‐0.5% |
フラット35S(B) | 当初5年間 | フラット35の借り入れ金利から‐0.25% |
フラット35Sの対象住宅は、フラット35の技術基準に加え、以下の4つ性能のうち1つを満たす必要があります。
・省エネルギー性
高い断熱性を兼ね備えた住宅
・バリアフリー性
高齢者や障害者が生活しやすい住宅
・耐震性
地震などで倒壊しにくい性能を備えた住宅
・耐久性・可変性
長期優良住宅など
どのプランが利用できるかは、不動産会社等で確認してね
その他の住宅ローン
①フラット35リノベ
中古住宅を購入し、一定の要件を満たすリフォームを行うことで、フラット35の借り入れ金利を一定期間引き下げることができる制度です。
②フラット35維持保全型
維持保全や維持管理に配慮した住宅、若しくは既存住宅の流通に寄与する住宅を取得した際に、フラット35の借り入れ金利を一定期間引き下げることができる制度です。
③フラット35地域連携型
子育て支援や空き家対策に積極的な地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得に対する地方公共団体による財政支援とあわせて、フラット35の借り入れ金利を一定期間引き下げることができる制度です。
④フラット50
フラット50は、長期優良住宅を取得した際に利用できる最長50年の住宅ローンです。
【フラット50の概要】
・申し込み時の年齢が、44歳未満であること。
・金利は、全期間固定金利です。
・借り入れ限度額は、100万円以上8000万円以下で、建築費又は購入価格の90%以内となります。
・他の借り入れ年間合計返済額との割合は、年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下となっています。
・フラット35やフラット20との併用が可能です。
⑤フラット20
フラット20は、フラット35を利用する方で、返済期間が20年以下の住宅ローンです。
このローンは、フラット35より返済期間が短いので、その分金利も安くなります。
まとめ
一口に住宅ローンと言っても様々です。
じっくりと検討し、無理のない借り入れを行って下さい。